秋吉台の地質や地形、動植物、考古など、秋吉台に関することは何でも知ることができます。館内にはサンゴやフズリナ、アンモナイトといった小型の動物からヤベオオツノジカやニッポンサイなど、秋吉台で産出した多数の化石やコウモリなど鍾乳洞に生息する生物も展示されています。全国のジオパーク情報もここでゲット!
秋吉台の地形・歴史・自然などを映像や模型で多方面から紹介しています。館内には五感をフルに使った体験コーナーがいっぱいあり、楽しみながら秋吉台の自然環境や生態系について学ぶことができます。中には、洞窟をそのまま持ってきたような空間もあります。
秋芳洞は、長さが11km以上(国内第2位)、空間の広さが日本最大級の鍾乳洞です。カルスト地下水系の下流にあたるため、現在も地下河川の水量が豊富であり、鍾乳石などの洞窟生成物を多く見ることができます。また、シコクヨコエビなどの洞窟特有の生物が生息しており、5~8月にはコウモリを見ることもできます。
秋吉台の地下には、現在見つかっているだけで453ヵ所の鍾乳洞があります。秋芳洞以外にも、水平方向に広がる景清洞(景清穴)やあみの目状の構造をもつ大正洞が一般に公開されています。
大正洞は、高低差が100m以上あり、大きく3層に分かれる立体的な洞窟です。鍾乳洞の発達過程におけるいろいろな様子を見ることができます。2014(平成26)年の調査で、大正洞と犬が森の穴が地下でつながっていることがわかり、全長が約2,000mと秋吉台で3番目に長い洞窟になりました。
景清穴は、総延長が約1.5kmで、洞窟内に川が流れているトンネル状の貫通洞ですが、現在は通り抜けることはできません。洞窟の壁には、水によって溶かされた模様やサンゴ・ウミユリなどの化石が観察できます。観光コース奥の400mは、懐中電灯の明かりのみで洞内を歩く「探検コース」になっています。
秋吉台カルスト展望台は、秋吉台南部に位置する展望台です。展望台では、秋吉台の地形を一望することができ、カルスト台地を気軽に体感できます。ドリーネの並びや周辺の山々との形状の違いを見ることができるなど、絶景スポットになっています。
長者が森は、約66種類の植物からなる原生林です。タブの優先度が高く、高さ約16mの大木が主体となっています。高木層や亜高木層をなす樹木によって森の中はうっそうとしており、下草はほとんどありません。その昔、富豪が世を逃れてこの地に住んでいたという言い伝えから、長者が森と呼ばれるようになったとも言われています。
冠山は、秋吉台の逆転構造が観察できる標高377mの山です。頂上付近の石灰岩の表面には、石灰藻や海綿類などの化石が多く見られることから、かつて生物礁を構成していたことがわかります。また、頂上からは秋吉台のカルスト地形を一望でき、北側では多くの石灰岩柱を、南側では多くのドリーネ(すり鉢状の窪地)を見ることができます。
北山は、約3億2千万年前から約2億8千万年前の石灰岩からなる標高367mの山です。山の北西斜面には、鉄鉱石を採掘していた跡があります。また南斜面には、秋吉台が演習場として使用されていた当時の塹壕が残っています。
帰水では、約3億年前から約2億6千万年前の石灰岩が、ドリーネに沿って分布しています。露頭(岩石が露出する場所)では、数種類のフズリナ化石や堆積構造を観察できます。東京帝国大学(現・東京大学)の地質学者であった小澤儀明先生が、地層の逆転構造を発見した場所でもあります。また、帰水の底では、一年中涸れることのない湧水が見られます。
ドリーネ畑とは、ドリーネ(すり鉢状の窪地)の底を利用した耕作地のことです。秋吉台のドリーネの底は、江戸時代には既に畑地として耕作が行われていました。ドリーネの底は比較的平らで水はけがよく、畑作には適していますが、農作業の機械化や農業用機械の大型化などにより、自動車や農業用機械が進入できない農地は次第に放棄されていきました。現在では、近隣の農家により数ヵ所のドリーネで耕作が続けられ、ゴボウや里芋、白菜などを栽培しています。
美東町宮の馬場の露頭(岩石が露出する場所)では、約3億5千万年前から約3億2千万年前の玄武岩質岩が道路沿いに見られます。化学分析の結果から、この岩石は海底の火山が噴火してできたもので、海底の高まり(海山)を作っていたことがわかっています。海山の頂部や周辺には、石灰岩の元となるサンゴ礁が生息していました。
龍護峰は標高425.5 mと、秋吉台で最も高い山です。約1億年前のマグマ活動により、断層に沿って方解石や石英という鉱物のすじが見られます。また、北東側斜面には、腕足類やフズリナの化石が入った礫を含む、結晶質石灰岩(大理石)が見られます。
長者錦採石場跡は、かつて石灰岩を採掘していた採石場です。秋吉台には、約1億年前のマグマ活動の影響を受けた石灰岩がいたるところにあり、この付近の石灰岩もその1つです。石灰岩は、マグマ活動により再結晶化しており、赤みを帯びた結晶質石灰岩(大理石)となっています。
青景銀山は、約1億年前に秋吉台の石灰岩とマグマが反応してできた銀を、1573(天正元)年から66年間採掘した場所です。現在は採掘した穴(坑道)が残り、坑道の壁にはノミで掘った跡が見られます。ふもとの集落には、鉱山で栄えた頃の地名や家の呼び名(屋号)、古井戸が今でも残っています。
秋吉台の大自然の中に広がり、自家用車や園内エサやりバスでまわるサファリタイプの動物園です。幸運を呼ぶ幻のトラといわれるホワイトタイガーをはじめ、約70種700頭羽あまりの動物たちとふれあえます。園内には遊園地やレストラン、売店なども併設されています。
秋吉台の麓、その豊かな自然のなかに、国内外の芸術家の表現創造活動の拠点として、1998年8月にオープンしました。この「芸術村」は、世界に開かれた「芸術文化の創造と発信」の場として、音楽、美術、ダンス、演劇など幅広い芸術文化活動に対応できる滞在型芸術文化施設で、一般の宿泊も可能です。
とんがり屋根の総合管理棟が印象的な秋吉台家族旅行村は、山口県の中央、秋吉台の大自然に囲まれたレクリエーション施設で、高原リゾートを満喫できるあらゆる要素が揃っています。秋吉台観光の拠点として利用できます。
秋吉台で産出された良質の大理石を加工し、特産品として販売する施設「秋芳町営秋吉授産場」が昭和28年7月に秋芳洞商店街の中に作られました。観光客の増加とともに生産を伸ばしましたが、昭和50年代後半から後継者不足や需要の激変により平成16年3月、惜しまれながら半世紀の歴史に幕を閉じました。ここに展示されている機械は、すべて当時使われていたものです。