Mine秋吉台ジオパークについて

Mine秋吉台ジオパークは、白・黒・赤をテーマにしているジオパークです。石灰岩(白)でできたカルスト台地「秋吉台」、無煙炭(黒)を産出する「大嶺炭田」、そして東大寺の大仏に使われている銅(赤)を産出した「長登銅山跡」などの見どころがあります。この地域の人々は、カルスト地形を生かした暮らしを昔からしてきました。Mine秋吉台ジオパークでは、カルスト地形特有な人々の歴史や生活はもちろん、それを作り出した地球のダイナミックさを体感することができます。

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世界からみたMine秋吉台ジオパークの特徴

石灰岩(白)
サンゴなどの生息環境のイメージ

当ジオパークの石灰岩は、今からおよそ3億年前に、大陸から遠く離れた、海底火山の頂上付近に成長したサンゴなどの死がいが積み重なってできたものです。サンゴなどの成長は、約8千万年間も続いていたため、石灰岩には、その間の海洋環境の記録が保存されています。一方で、世界中のほとんどの石灰岩は、大陸にほど近い、浅い海で成長したサンゴなどが元となっており、そのような情報が保存された当ジオパークの石灰岩は、世界的にみても非常に貴重です。

石灰岩が溶けてできた、地表の窪地と地下の洞窟(断面のイメージ)

当ジオパークのエリア内で、石灰岩は約100km²に広がります。これは、世界の石灰岩地域の面積と比較すると、とても狭いです。しかし、その狭い範囲に、地表には多数の窪地(ドリーネやウバーレ)が、地下には450を超える洞窟が高密度に存在します。これらは、数百万年前から現在に至るまで、石灰岩が雨水や地下水に溶けることでできています。そのため、石灰岩の内部には網目状の地下水系が発達しています。また、地下水系は、そこに生息する洞窟性動物を含め、ラムサール条約湿地にも登録されています。

無煙炭(黒)
無煙炭の元となった植物が生育していた当時の陸地のイメージ

当ジオパークで産出する石炭は、最も炭化の進んだ無煙炭で、今からおよそ2億年前に、陸上の水辺(川や湖など)に生育していた、シダ植物や裸子植物が元となっています。当時は、植物だけでなく昆虫類や魚類なども生息しており、石炭を含む地層は、それらの化石を多く含みます。これらは、およそ2億5千万年前に起こった「生物の大量絶滅」を生き延び、繁栄した生物の証拠であり、生命の進化を理解する上で非常に重要です。また、この頃の植物が元となった石炭は、世界にもほとんど存在せず、大変貴重です。

銅(赤)
古代の銅製錬のイメージ(引用:長登銅山文化交流館展示図録P.31)

当ジオパークで産出する銅は、今からおよそ1億年前に、石灰岩とマグマ活動による熱水が地下で反応してできました。そのマグマ活動は当時、環太平洋地域全体で活発で、エリア内外に多くの鉱床ができる元となりました。エリア内では、8世紀に銅を採掘・製錬するための施設が置かれ、ここが日本で最も古い官営銅山であることがわかっています。製錬された銅は当時、大仏や貨幣の鋳造に使われ、古代の日本社会における文化や経済の発展に大きく貢献しました。

当ジオパークエリア内での注意点

~Mine秋吉台ジオパークの
9つのルール~

  • ゴミは持ち帰ってください。見つけたごみは拾ってください。
  • 天候に注意して行動し、ふさわしい服装や持参物(ぼうしや飲み物など)を準備してください。
  • 安全運転を心がけてください。
  • 秋吉台や観光洞窟の中を歩くときは、遊歩道から外れないでください。
  • ジオガイド等の案内人と行動するときは、案内人の指示に従ってください。
  • ジオガイド等の案内人との同行を必須とする見どころには、許可なく立ち入らないでください。
  • 植物、動物、石を持ち帰ったり、壊したり、危害を加えないでください。
  • 石や化石・鉱物等を販売している商店では、端材を利用した商品であることを確認しましょう。
  • 地球が作り上げた自然環境を大切にしてください。
※その他、法令や条例を守ってMine秋吉台ジオパークを楽しみましょう。
日本ジオパークネットワーク(JGN)
美祢市観光協会
美祢市