ジオパークの見どころ:ジオサイト

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1.平野の花崗岩質片麻岩(正片麻岩)ひらののかこうがんしつへんまがん

平野の正片麻岩は、蛇紋岩中にブロックとして取り込まれている岩体で、市指定天然記念物です。海洋地殻を構成する花崗岩が、約4億3千万年前に高温下で変成してできました。本岩体の元となった花崗岩は、大陸地殻を構成するとされる一般的な花崗岩とは異なり、地表に露出するまでの過程が不明など、謎が多く残されています。(参考文献:西村,2009,4.4.3山口県長門構造帯地域.日本地質学会編,日本地方地質誌6 中国地方,pp. 197-199.)

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2.平野の蛇紋岩ひらののじゃもんがん

地下深くに分布するかんらん岩が、水と反応すると蛇紋岩という岩石になります。水と反応したので軽くなり、地下深くから上がってきます。地上に上昇してくるときに正片麻岩を取り込んできました。表面がヌメッとしていて、蛇のような模様なので蛇紋岩という名前がついています。コンクリートの骨材などに使われています。かつては石綿を取る目的で採掘されていました。

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3.宮の馬場の玄武岩みやのばばのげんぶがん

美東町宮の馬場の露頭(岩石が露出する場所)では、約3億5千万年前から約3億2千万年前の玄武岩質岩が道路沿いに見られます。化学分析の結果から、この岩石は海底の火山が噴火してできたもので、海底の高まり(海山)を作っていたことがわかっています。海山の頂部や周辺には、石灰岩の元となるサンゴ礁が生息していました。

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4.冠山かんむりやま

冠山は、秋吉台の逆転構造が観察できる標高377mの山です。頂上付近の石灰岩の表面には、石灰藻や海綿類などの化石が多く見られることから、かつて生物礁を構成していたことがわかります。また、頂上からは秋吉台のカルスト地形を一望でき、北側では多くの石灰岩柱を、南側では多くのドリーネ(すり鉢状の窪地)を見ることができます。

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5.北山きたやま

北山は、約3億2千万年前から約2億8千万年前の石灰岩からなる標高367mの山です。山の北西斜面には、鉄鉱石を採掘していた跡があります。また南斜面には、秋吉台が演習場として使用されていた当時の塹壕が残っています。

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6.帰水かえりみず

帰水では、約3億年前から約2億6千万年前の石灰岩が、ドリーネに沿って分布しています。露頭(岩石が露出する場所)では、数種類のフズリナ化石や堆積構造を観察できます。東京帝国大学(現・東京大学)の地質学者であった小澤儀明先生が、地層の逆転構造を発見した場所でもあります。また、帰水の底では、一年中涸れることのない湧水が見られます。

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7.龍護峰りゅうごほう

龍護峰は標高425.5 mと、秋吉台で最も高い山です。約1億年前のマグマ活動により、断層に沿って方解石や石英という鉱物のすじが見られます。また、北東側斜面には、腕足類やフズリナの化石が入った礫を含む、結晶質石灰岩(大理石)が見られます。

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8.長者錦採石場跡ちょうじゃにしきさいせきじょうあと

長者錦採石場跡は、かつて石灰岩を採掘していた採石場です。秋吉台には、約1億年前のマグマ活動の影響を受けた石灰岩がいたるところにあり、この付近の石灰岩もその1つです。石灰岩は、マグマ活動により再結晶化しており、赤みを帯びた結晶質石灰岩(大理石)となっています。

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9.上曽原のチャートかみそばらのちゃーと

チャートには様々な色のものがありますが、ここには黒色のチャートが分布します。チャートとは、珪質の骨格や殻をもったプランクトンの遺骸が、海底にゆっくりと堆積して岩石になったものです。秋吉台の石灰岩をつくったサンゴ礁の周りに、広く深い海が広がっていて、そこにプランクトンの遺骸が堆積していたことを示しています。

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10.綾木の砂岩あやぎのさがん

陸地の近くの海底では、陸上からの砂や泥が流れ込み、地層をつくります。海底の斜面を高密度の砂や泥が流れ下って堆積すると、そのときの流れの様子を示す堆積物となります。こうした堆積物をタービダイトといいます。

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11.東渋倉の石灰岩ブロックを含む泥岩ひがししぶくらのせっかいがんぶろっくをふくむでいがん

ここでは、泥岩の地層の中に、直径数 mほどの石灰岩の大きなブロックが含まれる様子が見られます。この石灰岩は、遠い南の海にあったサンゴ礁が起源です。海洋プレートの動きで運ばれてきた大きな塊であった石灰岩が、陸地に衝突したときに崩壊が起きてブロック状になり、それが海底の泥の中に取り込まれたことを示しています。このようないろいろな種類の岩石が変形し混ざり合っている岩石をメランジュといいます。

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12.常森の含礫泥岩つねもりのがんれきでいがん

浅い海の底の斜面で堆積物が滑り落ち、様々な種類・サイズの岩石が変形し、混ざり合ってできたものです。専門用語を使うと、海底地すべりによってできたメランジュと言い表せます。ここのメランジュは、秋吉台の石灰岩などがプレートの動きによって陸地の底にくっついた後、その上部で作られたものです。

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13.桃の木露天掘り跡もものきろてんぼりあと

桃の木露天掘り跡は、1966(昭和41)年頃から1970(昭和45)年まで、石炭を地表で直接採掘していたところです。
※原則、一般の方の立ち入りは禁止です。

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14.奥畑の含化石シルト岩おくばたのがんかせきしるとがん

ここの地層は、今から2億3~2千万年前に堆積したもので、その時代の昆虫や植物の化石が多く含まれています。その中でもオカフジムカシゴキブリは、日本最古のゴキブリの化石です。この地層が堆積した時代の前には、生物の大量絶滅があったと考えられています。ここの地層は、その大量絶滅後に復活し、繁栄した生物がどういう種類だったのかを示しています。

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15.於福の花崗岩おふくのかこうがん

石灰岩が分布しているところに、花崗岩をつくるマグマが入り込むと、周囲の石灰岩を熱して大理石に変えてしまいます。そのマグマはゆっくりと冷えてかたまり、花崗岩となります。同様に石炭が分布しているところに花崗岩質マグマが入り込むと、石炭の炭化がすすみます。炭化のすすんだ石炭は、煙をあまり出しません。於福の花崗岩がかつて持っていた熱が、大理石をつくり、無煙炭をつくりだしました。

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16.長登のスカルン鉱床(露天掘り跡)ながのぼりのすかるんこうしょう

石炭紀-ペルム紀の秋吉石灰岩と後期白亜紀のマグマの反応により形成されたスカルン鉱床です。奈良の大仏の原料になったことが科学的に証明された唯一の鉱山です。

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17.万倉の大岩郷まぐらのおおいわごう

万倉の大岩郷では、最大7mにも及ぶ巨大な岩石が一面に広がっています。この岩石は、約1億年前のマグマがゆっくり冷え固まったものです。一見すると、岩石が斜面を流れ下ってきたようですが、実は岩石の割れ目に沿って、風化・侵食がおこってできたと言われています。

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18.秋芳洞あきよしどう

秋芳洞は、長さが11km以上(国内第2位)、空間の広さが日本最大級の鍾乳洞です。カルスト地下水系の下流にあたるため、現在も地下河川の水量が豊富であり、鍾乳石などの洞窟生成物を多く見ることができます。また、シコクヨコエビなどの洞窟特有の生物が生息しており、5~8月にはコウモリを見ることもできます。
秋吉台の地下には、現在見つかっているだけで453ヵ所の鍾乳洞があります。秋芳洞以外にも、水平方向に広がる景清洞(景清穴)やあみの目状の構造をもつ大正洞が一般に公開されています。

  • 通常入洞時間:8:30~16:30(年中無休)
  • 入洞料:高校生以上 1,300円、中学生 1050円、小学生 700円、小学生未満 無料
  • お問い合わせ 秋吉台観光交流センター:0837-62-0305
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19.景清穴(景清洞)かげきよあな

景清穴は、総延長が約1.5kmで、洞窟内に川が流れているトンネル状の貫通洞ですが、現在は通り抜けることはできません。洞窟の壁には、水によって溶かされた模様やサンゴ・ウミユリなどの化石が観察できます。観光コース奥の400mは、懐中電灯の明かりのみで洞内を歩く「探検コース」になっています。

  • 入洞時間:8:30~17:15(受付は16:30まで/年中無休)
  • 入洞料:中学生以上 1,100円、小学生 600円、小学生未満 無料
  • 探検コース体験料:300円(ヘルメット・長靴の使用料を含みます)
  • お問い合わせ 景清洞案内所:08396-2-2201
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20.大正洞たいしょうどう

大正洞は、高低差が100m以上あり、大きく3層に分かれる立体的な洞窟です。鍾乳洞の発達過程におけるいろいろな様子を見ることができます。2014(平成26)年の調査で、大正洞と犬が森の穴が地下でつながっていることがわかり、全長が約2,000mと秋吉台で3番目に長い洞窟になりました。

  • 入洞時間:8:30~17:15(受付は16:30まで/年中無休)
  • 入洞料:中学生以上 1,100円、小学生 600円、小学生未満 無料
  • お問い合わせ 大正洞案内所:08396-2-0605
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21.中尾洞なかおどう

竪穴に続く洞口部、一段低い中央洞底部、その奥の深部洞窟部からなる鍾乳洞です。1921(大正10)年に地元小学校の教員や児童が、深部洞窟部でおびただしく美しい鍾乳石を発見しました。このことは、2年後に国の天然記念物に指定されるきっかけとなりました。鍾乳石の保護のため、現在でも一般公開はされていません。

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22.於福洞おふくどう

於福洞は、石灰岩がとけてできた穴で、ここには川が流れ込んでいきます。そのため、ここは入水という地名になっています。こうした地形は吸い込み穴(シンクホール)と呼ばれます。ここに流れ込んだ水は、鍾乳洞の中を流れ白水の池から出てきて厚東川の方に流れていきます。

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23.水神池(青池)すいじんいけ

秋吉台をつくる石灰岩の縁の部分に位置する池です。この池の水は、石灰岩地から湧きだしたものです。石灰岩地帯は地表を流れる水が少なく、こうした湧き水は農業用水として貴重なもので、水神様が祀られています。

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24.白水の池の穴(湧水)しらみずのいけのあな

白水の池は、秋吉台西台の北東山麓に位置する池です。湧き出る水がやや白濁していることから「白水の池」と呼ばれるようになりました。一年中涸れることのない豊富な湧水は、石灰岩を溶かしながら湧き出てくるため、カルシウムや重炭酸イオンを豊富に含んでいます。また、古くから周辺地域の農業用水として利用されています。

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25.別府弁天池べっぷべんてんいけ

別府弁天池は、厳島神社の境内にある周囲約40m、中心部の深さが約4mの池です。池の北西にある花尾山から流れる地下水が、断層沿いに湧き出ていると言われています。この水は古くから生活用水や農業用水などに使われており、現在ではマスの養殖にも使われています。

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26.美東大滝みとうおおたき

美東大滝は、5段の滝が連続していて、全体での比高が11 mになる滝です。こうした階段状の滝は、英語ではカスケード(cascade)と呼ばれ、1段の直立する大きな滝(fall)と別のものに分類されています。滝では、この地域では火山岩の一種であるデイサイトが見られます。こうした段は、必ずしもデイサイトの割れ目などの地質構造に影響されていません。

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27.真名の才ヶ峠構造線断層露頭まなのさいがたおこうぞうせんだんそうろとう

美祢市美東町綾木から宇部市東吉部付近にかけて、北東-南西方向に延びる約20 kmの地層境界(断層)が、地上で見られる場所です。ここでは、断層の動きによって、およそ10万年前の地層にズレが見られることから、断層が再び動く、すなわち地震を起こす可能性がある(活断層である)ことが指摘されています。